「えと・・・・どうすればいいんでしょう?」 {俺が知りたいよ・・・・」 なんでかはわからないけど今私はここにいます。 「えっと・・・深野、さん?」 「あ〜・・・すんませんね。俺あいつほどこういう状況に慣れてないんで・・・」 『あいつ』、さっきまでいた柄津という男性は――――。
《1時間前》 「・・・さて、状況は大体わかったわ」 この人はいまいちよくわからない。 魔法の事なんて誰も信じない、信じようとしないのが普通だと教えられてきた。 仮に目の前で使ってもトリックだと疑われるのがオチだと。 実際お母さんは魔法を使ってオカルトショップを経営していたが、誰も彼もが「魔法のようだ」とはいっても決して信じてはいなかったように思えた。 しかしこの人は、むしろ初めから知っていたかのように全てを認めている。 「あの・・・もしかして、魔法使いですか・・・・?」 私がそう言うと、前にいる二人はお互いを見合って、失笑した。 「柄津・・・・・っと、コイツが魔法使いなら、大変なことになるって」 『この人』の友人も、なんだか魔法を認めているように思える。 「深野さんうざいっすよ。・・・まぁ〜、使えたら楽しいだろうけどね」 『この人』は、認めているというより願望としてあるだけなのかもしれない。 「使い・・・たいんですか?」 「まぁ〜・・・・使えるなら、誰でも使いたいんじゃね?」 「柄津にだけは使えないままでいて欲しいな」 ・・・よくわからない。 「さて・・・・」 そう言うと『この人』・・・柄津さんは不意に立ち上がった。 「フカノッサァン。後は任せたヨ〜」 「・・・・は?」 そう言うと柄津さんはそのまま玄関へと向かう。 「いや、ちょいまて・・・!」 少し遅れて深野さんが追いかけたが、既に出て行った後だった。
そして今、まだ私は深野さんの家にいます。 「ん〜・・・・とりあえず、電話してるんだけどねぇ。あいつ出やしねぇ・・・」 「ご迷惑なら・・・」 「あ〜・・・いや、迷惑なのはあいつだし。事情はあるみたいだからすぐにでてけとはいわないさ」 色々訊かれはしたが、殆どは答えられない質問だった。 それでも、優しいのかあれなのかはわからないけど、怒る事はなかった。 「・・・・お?・・・・メール、きたな」 少しイライラした顔で、携帯の画面を見つめている深野さん。 「・・・・・・・・・・マジムカつくわ」 「え?な、にが・・・?」 「あ〜・・・・・いや、気にしないで。まぁ、今日は親帰ってこないっぽいし、泊まってってもいいからさ」 少しイライラは残っているようだったが、困ったような笑顔で私に話しかける深野さん。 「いえ!そんな!ほんと結構ですよ・・・!」 「大丈夫大丈夫。なにもせんし、そっちが嫌じゃなきゃ、ね。飯は大したもんだせんけど・・・・」 「・・・・!」 ここで変に拒み続けると、いや、という風にとられてしまわないだろうか。 第一、実際問題泊めさせてもらえるのはありがたい。 「・・・・」 小さく頷いて、相槌をする。 「おっけ〜・・・じゃあまあ、隣の部屋片付けるから、そこら辺で待ってて。・・・あ〜、なんか飲み物とかいる?」 「いや、ほんと大丈夫です・・・・!」 「ん〜・・・まぁ、遠慮せんでええよ。悪いのあいつだし。じゃあまぁ、少し待っててや」 そう言うと、携帯をベッドに投げ捨て、深野さんは部屋を出て行った。 「・・・・・・・・」 悪いとは思うが、メールが気になってしょうがない。 「・・・・すいません!」 小さく呟いて、携帯の中を覗く。 これで柄津さんとかじゃなく彼女とかだったらどうしようかな、と思いなながら開くと、丁度先ほど見ていたメールの内容が表示されている画面だった。 送り主に「柄津」と書いてあることから、これだろう。 「・・・・・・」 内容は端的に書かれていた。 『お前が主人公になれや』
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