「―――とりあえず今月中に試しておかなきゃな」
 現在大学が終わり、既に暗くなり始めている帰り道を一人歩いている。
 ・・・右腕が痛い。
 今日最後の授業は実験だった。
 その実験の最中に転んだ時、腕を痛めた。
 失敗だった。
 別に転んだ事自体は、失敗ではない。
 とゆうかわざと転んだんだし・・・。
「・・・これを後で誰かに言って強がりと判断する人がどれくらいいるかの判断もしておこ」
 殆どの事が今日はうまくいき、独り言もいつもよりも漏れてしまう。
 今月はあと一週間ほどで終わる。
 一昨日の夜から、この一週間を調査に費やすことにした。
 知りたいことは3つ。
 @どういったことをどのタイミングですればどの程度の信頼がなくなるか。
 Aどのくらいのレベルの調べ事はどのくらいのヒントでいつ頃わかるのか。
 B俺自身どれくらい予定通りにことを進められるのか。
 この3つだ。
 @については、チョコチョコと信頼を落とすような言動をとって、何らかの形で少しずつ調べる事にした。
 Aは、今日の実験の時に試してみた。
 まず試薬の入った瓶の蓋を落とし、割り、其れを素直に謝罪する。
 その後実験室内で豪快に転ぶ。
 ・・・このとき受身をとりそこね、背中や頭こそ回避できたが右腕を痛めた。
 そして最後、プレパラートを割る。
 このプレパラートを割ったことだけは、ごまかす。
 そして俺が知りたいのはこのプレパラートを割った人物を特定する手段と経過時間。
 まずはプレパラートを綺麗に洗浄しなかった為に残っているであろう観察対象物と、俺がレポートになるべく細かく描いた観察図の比較で判断するというのがひとつ。
 次に実験室についているカメラ(確認済み)で判断。
 他には、事前に幾つか「失敗」を起こしているをはなから疑うか、ある程度特定した人物全員にヤマをはって誘導尋問。
 携帯や一部友人に俺がやったという証拠も残したのでそこからということもある。
 なんにせよ、どういった理由で何時頃に判ったかを知りたい。
 最悪なのは、何も言わずに単位を落とされるなど。
 メリットが殆どない。
 そうならない事だけは、祈る。
 そこまで裏に手を回すより、他の調査を済ませたい。
「・・・にしても、今度からは腕すら痛めないようにせなな」
 今回は腕を痛めるですんだが、計画実行後はこれじゃすまない可能性すらある。
 気をつけよう。
 さて・・・・Aについては、今週中に何か後ひとつ試すとして、@を少しずつ試していかなくてはいけない。
 そろそろ室内以外に虫がいなくなる季節だ。
 そういった環境的なものも、考慮に入れなくては・・・。
「去年の冬の資料・・・・・何処やったっけなぁ」
 探さなくては。

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